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zoom RSS 「何故、日本の『ANIME』は世界的に競争力が強いのでしょうか?」最終回

<<   作成日時 : 2006/12/08 16:02   >>

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「何故、日本の『ANIME』は世界的に競争力が強いのでしょうか?」の最終回です。
全3回にわたって、以下の4つの競争優位性について、自分なりの考えを書かせていただきました。
1.リミテッドアニメーションを技術的に確立し、国際的コスト競争力を獲得
2.マンガの発展による、豊富な原作供給力
3.マンガ・アニメのファンの裾野の広さ
4.独特の創造・表現手法の発展


最終回では、
4.独特の創造・表現手法の発展にスポットを当てたいと思います。

 さて、北米のアニメスタジオ数社を見学させてもらったことがあります。そこで、「GONZOの者です。」と言うと、ほとんどの人は我々が何を作っているか知っています。サインを求められることもあります。良く聞くのは、「自分たちもGONZOのような(日本で作ってるような)アニメーションを創りたいのだが、創らせてもらえない。企画が通らない」とのことでした。
 やはり北米の相場、制作費3千万円×50話とかって、15億円とかですから、おいそれとアグレッシブな企画は通らないのでしょうね。北米では「アニメーションは子供向け」という既成概念も強固ですし。
 また、北米のクリエイターの人件費は高いですから(いいなあ)3千万円あっても日本のアニメのようなものづくりはできないかも・・・
 日本のアニメはコスト競争力が高いおかげで、海外の平均と比較すると、事業のハードルが低く、いろんな可能性を試すことが出来ます。またあらゆる年齢層を対象としている点にも特色があります。
 最近では北米メディア企業のコミットによる、北米発の“ANIME”も増えてきました。国内で作るより、品質やコストなどの面で優れた部分があるからでしょう。「ANIMATRIX」や、弊社の「afro samurai」はその一例です。
 さて、日本のアニメーションクリエイターと打合せする場合、イマジネーションの摺り合わせがとても便利です。
 世代のギャップはありますが、大量のアニメやマンガを観て育ってきているのでお互いに共通の認識があるのです。「今回やりたいのはあれのあそこ」とか「流行のあれのあそこのあの部分を取り入れたい」みたいなことを言いながら打合せが短時間でできます。ちょっと軽薄な感じもしますが、何にも似てないものってとても観づらいですからね。
 逆に中国や韓国に仕事を出す場合、共通の基盤が希薄なので、見本を作り、事細かに、設定を作って書式化したりするので、コミュニケーションのコストがかかります。ですからオペレーションに落として、スケールメリットを発生させることが重要となります。
 これが、韓国、中国で人材が育ってきても、なかなか原画や演出、絵コンテなど高付加価値のクリエイティブ領域にまで成長が及ばない理由のひとつでもあるのでしょうか?
 日本のアニメクリエイターは呼吸するように、マンガ・アニメを観ては自分の作品をアウトプットします。トライ&エラーを繰り返し、刺激や発想が循環します。そして共通のデータベース、共通の「引き出し」が出来ていきます。
 また、制作費が低くても限られたリソースでいい作品を作ってきたため、複雑なストーリーを、少ない枚数で効果的に見せる技法が発達してきました。
 それがある意味、いろんな監督さんのスタイルになってきています。
 出崎統監督の「あしたのジョー」などに見られるスタイルは、非常に印象に残る、効果的なスタイルだと思います。
 ちなみに私は「宝島」の再放送を見るために、放送期間中、学校を必ず数分遅刻してしまいました。
 余談はさておき、このように豊富な作品に囲まれる環境と、たくさんの作品を、工夫し、切磋琢磨しながら作っていく環境が、多くのアニメクリエイターのスキルの研鑽に繋がってきました。そして、新しいスタイルを確立し、新しい技法を試し、そして、TVで発表されるやいなや、いいとところは模倣し、悪いところは貴重なデータとし、そしてアレンジを加え、アニメ制作業のスキルをまた一歩前進させるわけです。そうして、日本独特の創造・表現手法が発展し、アニメ産業全体としての上昇スパイラルが発生していったのではないでしょうか。


 全3回でお送りした「何故、日本の『ANIME』は世界的に競争力が強いのでしょうか?」はいかがでしたでしょうか?実は、第一回が、人気ブログからリンクしていただけたせいもあってか、記事単体で13000件のアクセスがありました。これは好評だったと独自に判断し、また何かコラム系の記事企画を考えたいと思います。それでは皆さん、ちょっと早いですが良い年をお迎えください。

PS.ブログは年内も更新していきますよ。いや、いきたいです。

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